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第38回日本微小脳神経外科解剖研究会

会長挨拶

 
第38回日本微小脳神経外科解剖研究会会長

第38回日本微小脳神経外科解剖研究会
会長 谷川 緑野
社会医療法人禎心会 札幌禎心会病院脳卒中センターセンター長

 
 

第38回目の日本微小脳神経外科解剖研究会を開催させていただきます札幌禎心会病院 脳神経外科・脳卒中センターの谷川緑野です.1988年に脳神経外科研修医として勉強を始めた頃に,医局のテーブルの上に置いてあった本研究会の講演集を手にとって見たときに,当時強く興味を抱いていたtranssylvianやinterhemispheric approachなどの脳槽解剖が,脳神経外科手術を行う視点で解説されているのを目の当たりにし,安全に手術で患者を助けるためには手術技術以前に解剖学的知識の習得が必要だと感じたことを覚えております.術野を横切る静脈は「焼いて切る」と教わった初期教育とは全く異なる価値観で手術を行っている脳神経外科の世界があるのだということを感じ始めた頃でした.すでに当時世界中でトレンドとなっていた頭蓋底手術アプローチについても,単なる骨削りくらいにしか捉えられない愚かな研修医だった自分が35年後に本研究会を開催させていただく立場になることなど想像すらしていませんでした.本研究会の開祖ともいうべきAlbert Rhoton Jr.先生のもとでの勉強の機会は残念ながらありませんでしたが,我が師匠である上山博康先生の頭蓋底手術,特にcombined petrosal approachでのV3-P2バイパスを助手として見たときに,自分もこのような手術ができるようになるためには,血管解剖のみならず頭蓋底外科解剖の習得が必須であると感じました.2000年に縁あって米国の福島孝徳先生のもとでcadaver dissection courseに参加する機会を得てからは,福島先生のスタッフの方々から”He is addicted!”と言われるほどcadaver courseに熱中して頭蓋底手術解剖を学ぶようになりました.しかし,2年や3年ではなかなか福島先生がされるようなdissectionもdrillingもできずに数年が過ぎましたが,10年ほど継続すると解剖の知識と術式が頭の中で少しずつつながるような感覚が得られるようになってきたのを覚えています.今でも自分の中で不安に感じる部分の局所解剖や神経機能解剖は継続して学び続ける必要のあるものだと思いますし,何度でもcadaverでの勉強を繰り返していきたいと考えているところです.病変によって局所の解剖学的位置が偏位したり,術野では分かりにくくなっていたりするのはよく見る状態ですが,それらの解剖学的関係を理解するためには正常解剖を熟知している必要があります.脳外科医であれば誰もが知っているはずの正常解剖ですが,実際の手術解剖として正常解剖を知ることを今回のテーマとして,暦の上では春ですがまだ肌寒い4月の札幌で開催させていただきます.お誘い合わせの上奮ってご参加ください.

 
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